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防爆製品の選び方

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更新日:1月10日




防爆製品の重要性と選び方

防爆製品は爆発のリスクが存在する危険環境での作業や運用を安全にするために不可欠です。本記事では、防爆製品を適切に選ぶためのポイントを「使用ゾーン」・「雰囲気ガス等の環境判断」・「防爆性能記号」の3つに分けて解説します。



1. 防爆製品を使用ゾーンで選ぶ

防爆製品を選ぶ際、まずは製品を使用するエリアがどのような危険度のゾーンに該当するかを特定する必要があります。日本国内では爆発のリスクがある区域が以下のように分類されます。


ゾーン区分により、使用可能な防爆構造(製品の設計構造)が決まっていますが、それぞれの防爆構造の中でも規格が細かく選定されいてるため、「本質安全防爆製品であってもゾーン2でしか使用ができない製品」も存在します。

ゾーン名

ゾーンの説明

使用可能な防爆構造

ゾーン0

爆発性雰囲気(可燃性ガスや蒸気)が常時または長時間存在する場所。

・本質安全防爆製品

ゾーン1

爆発性雰囲気が通常の運転条件下で頻繁に発生する場所。

・本質安全防爆製品・耐圧防爆製品

・内圧防爆製品

ゾーン2

爆発性雰囲気が通常は発生せず、一時的に発生する可能性がある場所。

・本質安全防爆製品・耐圧防爆製品

・内圧防爆製品・安全増防爆製品

ゾーンの分類に基づき、選ぶべき防爆製品の仕様や構造が異なるため、事前にエリアごと

のリスク評価を行うことが重要です。



2. 雰囲気ガス等の環境から選ぶ

防爆製品を適切に選ぶには、使用環境に存在するガスや粉じんの種類を特定することが欠

かせません。環境判断の際にはガスグループの対応可否を確認します。


・雰囲気ガスの種類: 可燃性ガスは、その引火性や爆発範囲に応じて分類されます。(例:

メタン、プロパン、エチレン、アセチレンなど)


・爆発グループ: ガスの危険度はグループI、IIA、IIB、IICに分類され、IICが最も危険度が

高いとされます。


・引火点と爆発限界: 使用環境の温度や圧力が、ガスや粉じんの引火点や爆発範囲に該当し

ていないか確認します。


・粉じん環境: 粉じんによる爆発リスクがある場合、粒子の大きさや濃度、可燃性の有無を

調査します。

機器の表面温度(温度等級)

450℃ (T1)

300℃ (T2)

200℃ (T3)

135℃ (T4)

100℃ (T5)

85℃

(T6)

IIA

アンモニア、二酸化炭素、エタン、トルエン、ブタン、メタン

エタノール、1-ブタノール、塩化ビニル、アセチルアセトン、エチルベンゼン

ヘキサン、ガソリン、ケロシン、ペンタン、シクロヘキサン

アセトアルデヒド、トリメチルアミン

-

-

IIB

シアン化水素、アクリロニトリル

アクリルsアクリル酸エチル、フラン、エチレン、エチレンオキシド

ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン

-

-

-

IIC

水素

アセチレン

-

-

二硫化炭素

硫酸エチル


防爆性能記号を理解する

防爆製品のカタログなどには性能や仕様を示す「防爆性能記号」が表示されています。防爆性能記号は国際的に規格化されており、これらの記号を正確に理解することが、安全で適切な製品選びにつながります。



防爆性能記号「Exd ⅡB T4」の見方

防爆性能記号は、防爆製品の安全性能を表す記号であり、それぞれの部分に重要な意味があります。


「Exd ⅡB T4」の記号を解釈すると、この防爆製品は以下のような特性を持っています。

  1. 防爆仕様の製品である(Ex)

  2. 構造は耐圧防爆(d)方式

  3. 爆発等級ⅡAおよびⅡBの爆発性ガスに対応

  4. 温度等級T1~T4(最高表面温度135℃以下)の電気機器であり

    発火温度135℃以上の爆発性ガス雰囲気に対応



    以下に「Exd ⅡB T4」を例に、その構造を解説します。


1. 防爆製品を示す「Ex」

「Ex」は、この製品が防爆仕様であることを示しています。防爆性能を備えた機器である

ことを表す記号として、国際的に共通で使用されています。


2. 防爆構造の種類「d」

「d」は、耐圧防爆構造を示します。この構造では、機器内部で爆発が発生しても外部に炎

や高温ガスが漏れないように設計されています。


防爆構造の種類は以下に分類されます。 ia / ib / ic: 本質安全防爆(内部で火花や過熱が発生しない構造)

d    : 耐圧防爆(ガスや蒸気が侵入しても内部の爆発が外部に影響しない構造)

e    : 安全増防爆(通常よりも高い安全性が確保された構造) p    : 内圧防爆構造


3. 設置雰囲気ガスの爆発等級「ⅡB」

「ⅡB」は、機器が対応するガスの爆発等級を示します。


ⅡA: 爆発性が比較的弱いガス(例: プロパン、エタノール)

ⅡB: 「ⅡA」および「ⅡB」のガスに対応(例: エチレン、ジメチルエーテル)

ⅡC: 「ⅡA」「ⅡB」「ⅡC」の全てのガスに対応(例: 水素、アセチレン)


したがって、この機器は「ⅡA」「ⅡB」の爆発性ガスに適用可能で

「ⅡC」には対応していません。


4. 設置雰囲気ガスの温度等級「T4」

「T4」は、防爆製品の最高表面温度が135℃以下であることを示します。温度等級によっ

て適用できるガスが異なり、以下のような対応範囲となります。


T1: 温度等級T1のガスにのみ適用(450℃以下)

T2: 温度等級T1~T2のガスに適用(300℃以下)

T3: 温度等級T1~T3のガスに適用(200℃以下)

T4: 温度等級T1~T4のガスに適用(135℃以下)

T5: 温度等級T1~T5のガスに適用(100℃以下)

T6: 温度等級T1~T6のガスに適用(85℃以下)


「T4」の場合、

この機器は「T1」~「T4」の温度等級に分類されるガスに使用できます。



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